自然乾燥
|
|
自然乾燥 |
木は乾かして使うもの 木材の乾燥には2種類の乾燥方法があります。人工的に乾かす機械乾燥もう一つは 自然乾燥です。(最近では両方あわせた乾燥方法もあるようですが)どちらも一 長一短があります。 高温での機械乾燥は短時間でひび割れも少なく乾燥しますが、内部割れ という現 象がおき木がもろく燻ぶった色になり艶がなくなります。 ようは木が死んだ状態になります。自然乾燥の場合は 乾燥 時間が長く機械乾燥に くらべてひび割れも多くなりますが木は生きた状態のままですので色艶が良く本来 の木の美しさが得られます。 最近では自然 乾燥の良さが見直されて来ています。 ところが、自然乾燥には大きなリスクが伴うのも事実なのです。まず第一に(乾 燥 時間)が長いということです。 それではどのくらいの時間が必要な のか、その木の状態によってかなりの差が出て きます。 原木の時の乾燥状態、伐採したときの時期、年輪の細かさ、節の状態、乾燥 時期な どさまざまな条件で違いが出てくるのです。 (ただ積んで置けばいい)では駄目なのです。 そのため各事業所により蓄積されたノ ウハウがあるよです。 一般的な自然乾燥ですと約半年間から一年間それでも乾燥しない木もたくさんあり ます。これだけの期間、注文材ではないので寸法もわからない何棟分もの材料をオ ーバーサイズ で約半年間から一年間もストックするのすから大きなリスクが伴う のも当然です。 当事業所でも自然乾燥に力を入れて日夜頑張っております。 |
角材の桟積み乾燥 | 板材の桟積み乾燥 |
小割り材の桟積み乾燥 | 日の当らない所で造作材の乾燥 |
木材は乾燥する過程で、含水率が25%を切ると収縮し、それに伴い、曲がり、割 れが生じます。 しかし、乾燥した木材は、曲がりにくくなり、割れることも少くなり、 強度も上り ます。 また、現在利用されている杉の柱材はほとんどが木の芯がある「芯持ち材(しんも ちざい)」です。 この芯の部分の「アカミ」は、なかなか乾燥しません。 このため人工乾燥で中心部分まで15%を切るように乾燥しようとすると、その前に 周辺部が過乾燥となり割れが生じ、もはや家の柱としては使えない状態になってし まいます。 つまり、現実には杉を“100%”乾燥させることはできません。 日本では、自然のままに乾燥させた木材の含水率は、約15%~17%くらいの値にな ります。 しかし、現在のほとんどの家にはエアコンがつい ていますので、その環境では木材 は11%~15%くらいになります。 したがって100年じっくり乾かした木材でも、エアコンの家へ入れるとさらに乾燥 してヤセてきます。 この時、木材全体に収縮するようにヤセれば良いのですが、表面からヤセると、こ れが割れる」ということになります。 特に密閉性の高いコンクリート住宅や、ツーバイフォー住宅などの中に無垢の木材 を使うことになると、かなりの注意が必要になります。 |